事業報告詳細平成14年度4月例会「新製品紹介」![]() ●表面処理浴用多用途対応可搬型自動分析装置 荏原ユージライト株式会社 モバイル・アナライザー TYPE−Tモバイル・アナライザー TYPE−Tは、従来市販されている自動分析装置に比べ、操作が簡単、持ち運びが出来、しかも本体価格が100万円を切りながらも、本格的な自動分析装置である。 分析機能は、pH電極による中和滴定と、光の明暗変化で終点を検出する光度滴定機能がある。オプションとして、特定波長の干渉フィルターを使用した光度滴定や、吸光度センサを用意している。 ![]() ●金めっき専用マグネットポンプ 株式会社イワキ MD−Fシリーズプリント基板上の厚付け金めっき液のように高温、高濃度の金めっき液では、従来型マグネットポンプでは、軸受け部分等に金が析出して、数日から、場合によっては数時間でポンプがロックしてしまい、連続での作業に支障をきたして来た。 これに対して、株式会社三共の山田社長の提案をもとに、軸受け部分の材質等を改良。現在、液温70℃、金濃度7g/l のめっき液で、6ヶ月間24時間運転を続ける実績を更新中である。 ![]() ●新型ヒーター、デジタル温度計 ミナモト電機株式会社 角パイプステンレスヒーター、液晶デジタル温度計角パイプステンレスヒーターは、ステンレス角パイプ内に石英ヒーターを組み入れ、その下部にエアーパイプを取り付けた物で、ヒーター管にエアーを噴きつける事により、熱の放散効果が非常に良くなり、また、エアーの撹拌作用により、液槽内での温度ムラ解消や、ヒーター表面のスラッジの固着防止ができる製品である。また、従来品に比べ発熱部の寸法が短く設置性に優れ、ワット密度を抑えた設計で耐久性に優れている。 液晶デジタル温度計は、従来の水銀を使用した隔測温度計に代わるもので、液晶表示部は文字高18mm と見やすく設計されている。温度測定範囲は0〜200℃、温度分解能0.1 ℃、電池寿命5年で、電池交換はメーカーへの依頼となる。センサ部はテフロンモールドである。 >>戻る特別例会「中国鍍金業界視察報告会」今回、プリント基板工場、プラスチック上のめっき工場、日系のめっき工場2社、めっき設備の生産工場を見学してきた。 これまで、「技術レベルの低い大量生産品のめっきが中国に流れ、管理の厳しい物は日本に残る。」と思われていたが、この視察を通じて、中国でも、シンセンや東莞などの経済特別区では、インフラも整備され品質管理体制も悪くないレベルで、もはや「日本で出来るめっきは中国でも出来る段階である」と感じた。中国を見てから大きな決断をすべきである。 「それはなぜか?」「では、これから我々はどうすべきか?」・・・についての議論の内容を知りたい方、ぜひ十日会に入会しましょう(^。^) >>戻る5月例会「クエン酸を用いた、電気ニッケルめっき」
めっき設備は同様。 薬品コストはほう酸に比べ高いが、濃度が1/2なのでめっきコストは同等か低い。 耐濃硝酸性はワット浴と同等。(不導体皮膜を形成し、溶解しない) ワット浴より高 pH でのめっきが可能。 ワット浴に比べて金属不純物の影響が出にくい。 めっき槽、アノードバッグに結晶がこびりつかない。 めっき液のイメージアップ→クエン酸健康法。 レモン酸ニッケル浴の浴組成を知りたい方・・・、ぜひ十日会に入会しましょう(^。^) >>戻る9月例会「6価クロムフリー処理剤の現状と対応」6価クロムクロメート処理剤は、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、銀、銅などの金属の防錆処理として広く利用されてきた。特に亜鉛めっきにおいては白錆発生を抑制する処理としてなくてはならない後処理である。 しかし、使用済みの自動車や電子部品が廃棄されると、組み込まれている部品のクロメート皮膜が酸性雨により溶解して皮膜中の6価クロムが土壌に浸透し、ひいては地下水が汚染されて、生物循環により最終的には人体への悪影響が心配されるに至った。その結果自動車、電子部品、家電製品からクロメート処理品を排除する動きがヨーロッパで起こり、日本においてもその対策が急がれるようになった。 そのため自動車会社は6価クロム代替処理剤を検討し始め、それにともなって表面処理剤メーカーにおいてもクロメート処理に代わる「ノンクロメート処理剤」が出揃い、すでに二次、三次の改良も行われて、その性能も徐々に6価クロムクロメートに比肩するまでに至っている。 6価クロム代替処理のアプローチとしては、
静岡県浜松工業技術センターでは、現在市販されている3価クロム系の処理剤を集めて、各メーカー推奨条件で亜鉛めっきを処理してその耐食性を調査した。ただし、使用した亜鉛めっきはジンケート浴に限定されている。その結果はカタログではどの商品も6価クロムイエローと同等以上と謳っていたが、期待した結果は得られなかったものの、6価クロムイエローと比較してもかなり良好な耐食性をもっているものもあり、それぞれの処理液にあった条件設定をすれば、より耐食性の向上が期待される、としている。 一方、その処理にかかるコストであるが、一般に、従来の6価クロムクロメートと比べ、3価クロム系の処理剤は薬品コストが1.5〜2.5倍、処理濃度、温度はともに高く、処理時間も長い物が多い。廃水処理が困難なものもあるため、コストアップは避けられない状況である。 このように、6価クロムフリー処理剤は、現在のところコスト的にも性能的にも従来のクロメートに取って代われる物ではないと考える。これからの6価クロムフリー処理剤は次のような特性を持たなくてはならない。
クロム酸塩の使用は今後さらに厳しく規制されて高価なものになるのは世界的な傾向である。そのため金属表面処理工業界において、クロム酸塩に代わる防錆剤が強く求められる。3価クロム系だけでなく、クロム類似金属塩による皮膜も非常に有望であり、その開発は今後さらに加速される物と思う。 >>戻る2月例会「中国進出の苦労話」◆中国進出の経過 客先の海外進出に対応する為、95年に香港華僑と合弁で、香港に持ち株会社を設立。東莞に工場を建設し、持ち株会社からの委託生産の形で、携帯電話、デジタルカメラ、自動車等の部品を、成形からめっき、シルク印刷などまで行う。中国への進出は、膨大な人口を擁する中国を始めとした東アジアの市場としての魅力と、進出した日系の企業に部品供給する事により、中国の企業を抑え、日本の企業を守るとの役割も考え、決断した。 ◆中国取引の現状 土地、建物はすべて賃貸。所有は出来ない。現地の人の賃金は、日本人の20分の1。めっきのコストは、日本の約3分の1で出来る。中国のGDPが、年7〜8%成長しているので、仕事はまだまだある。しかし、台湾、香港系のめっき業の進出が著しく、競争の激化が懸念されるため、ポリカーボネートへのめっきなどで、差別化をはかっている。今後、力を付けてきた現地企業との取引が考えられるが、取引通貨が「元」になるのが問題である。 ◆中国経済の懸念材料 2008年の北京オリンピックまでは成長が続くと思われるが、共産主義の国であり、また、沿岸部と内陸部の格差を、どう解決してゆくかが問題。環境対策は、外資系に厳しく、急な法律、税制の変更も、経営の安定には懸念材料である。中国では、製品が売れたら、仕入れの支払をすればよい、というような習慣があり、現地企業からの代金取立ては、困難を極める。 ◆これからの日本のめっき業(デフレ時代を生き抜く) デフレ下では、黒字経営の継続が必要であり、海外の安い製品との競争は、避けなければならない。そのため、産、官、学の連携により、高付加価値化を進め、海外と差別化を図って行く事が必要である。アメリカがITで再生したように、日本も新しいシステムを作って行かなければならない。>>戻る
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